金利はどうなる!? 住宅ローンの種類や選び方のポイントを解説

金利はどうなる!? 住宅ローンの種類や選び方のポイントを解説

マイホームを購入する際、多くの人が利用することになる住宅ローン。注文住宅を建てる時の資金計画として「固定金利」と「変動金利」のローンではどちらを組むべきなのか? あなたに合った住宅ローンはどのようなものか、誰に聞けばいいのか悩んでいませんか?

今回は、金利の仕組みや住宅ローンの選び方の基準について解説します。

金利の仕組み

住宅ローンの金利タイプは大きく分けると「変動金利型」と「固定金利型」があります。どのような時に金利が上昇するのかなど、金利の仕組みを見ていきましょう。

固定金利

固定金利は、その名の通り金利が一定に固定されるタイプのため、ローンを組み始めた時から完済するまで金利が変わらない点が特徴です。しかし、相対的に見ると現状では変動金利よりも高い傾向にあります。

固定金利は「長期金利」を参考に、国債市場で取引される10年国債の利回りを基準として金利が決定します。そのため、国債をメインで取引する投資家の動きによって金利が左右され、「長期金利=市場参加者の金利見通し」に影響を受けやすいと言われています。

また、固定金利には「長期固定金利型」と「固定金利特約型」があります。

長期固定金利型は、あなたが設定した住宅ローンの返済期間全ての期間で、一律の金利が適用される住宅ローンです。借入した時点の金利でローンを払い終えるまで金利が一律となるので、毎月定額の支払いをしたい場合や、市場の金利上昇に不安を感じる人におすすめです。

固定金利特約型は、あなたが指定した期間だけ固定金利を使用し、固定金利適用期間終了後は変動金利に変更してローンを返済していくタイプです。期間は2年、3年、5年、10年から選べ、住宅ローン開始時から一定期間は定額の支払いで住宅ローンを組める点がメリットです。

変動金利

住宅ローンの返済中に適用される金利が変わるタイプが、変動金利です。金利の見直しは、金融機関によって半年に1度行われますが、住宅ローンを組んだ人の支払額に影響するは5年に1度になります。

変動金利は「短期プライムレート」と呼ばれる、銀行が融資に問題がないと判断した信用力の高い企業に融資する際に適用される金利を元に決定されると言われており、短期プライムレートは、日本銀行の政策金利に連動します。

日本銀行がゼロ金利政策を実施しているため、金利がかなり低くなっている点がメリットです。現状は低水準ですが、今後どうなるのか先が読めないため、金利上昇のリスクもあるということをふまえておく必要があります。

金利が上昇する要因

住宅ローンの借入金利が変動するのは、短期金利の場合、日本銀行の政策金利、長期金利は市場金利から、それぞれ影響を受けている側面を持つからです。

そのため、各金利タイプの借入金利の基準となっている金利の上昇が、住宅ローンの借入金利の上昇につながる傾向に。変動金利で借りた場合、引下げ幅は全期間において変更されないことが多いと言えますが、借入金利が上がるとしたら、基準金利が上昇した時です。

また、固定金利は定められた期間中は金利が上がることはなく、全期間固定金利タイプの住宅ローンであれば、引下げ幅が返済中に変更されることはありません。長期金利が大きく上昇したとしても、既に返済を開始している人の基準金利は変わりません。

しかし、当初固定金利タイプは、当初借入金利適用期間中に大幅な引下げ幅が適用されます。基準金利は固定されているので変動することはありませんが、当初借入金利適用期間の終了後、引下げ幅の優遇が縮小されます。

もしその時に基準金利が上昇していたら、上がった基準金利を基に借入金利を計算することになります。当初固定金利タイプを借りる場合、当初借入金利適用期間後の引下げ幅をよく確認しておきましょう。

住宅ローンの選び方の基準

住宅ローンの選び方にセオリーはありませんが、金利や事務手数料、サポート体制などを考慮することをおすすめします。金融機関によっては、これから住宅を購入する人を対象に住宅ローン金利に優遇を設けている場合もあります。

金利や事務手数料

金利が低いほど、実際に借入した際の総支払額は低くなるため、できだけ低金利の金融機関を選ぶことは王道的な手段と言えます。

しかし、金利が安いからという理由だけで決めてしまうと、思わぬ落とし穴があることも。それが事務手数料です。事務手数料は、借りる金額に対して2%分など利率が決まっている場合と、定額制の金融機関があります。

サポート体制

住宅ローンを組む際、契約書や納品書、設計書や自治体への申請書などを工務店やハウスメーカーから取り寄せて金融機関に提出するなど、さまざまな書類のやりとりが発生します。

金融機関によっては、そういった業務を委任することで、工務店やハウスメーカーの担当者と直接やりとりをしてくれることもあります。

金銭的なメリットを考えることは大切ですが、それほど金利が変わらない場合は、サポート体制で優位性を見ることも重要です。

ミックスローンを利用

金融機関や商品によっては、固定金利型(固定金利期間選択型)と変動金利型など、異なる金利タイプを組み合わせることができる「ミックスローン」と呼ばれる住宅ローンもあります。金利タイプや借入額などを自由に組み合わせることで、金利上昇リスクを抑えることが可能です。もし契約後に金利が上昇すれば、固定金利型が有利になり、金利が下降すれば変動金利型が有利になります。

固定金利型と変動金利型を半分ずつにすることで、金利上昇時には、変動金利型だけのローンと比較すると、金利上昇リスクを半分に軽減ことができ、金利下降時には、変動金利型ローンの割合だけ低金利による恩恵を享受できる点がメリットです。

しかし、ミックスローンを利用すると、2つの住宅ローンの契約をすることになるため、契約書は2通になり、一般的に手数料などの諸経費も2倍になります。また、金利タイプや返済期間などを組み合わせて、リスクを分散させる返済方法なので、金利上昇リスクを軽減しながら、低金利時の恩恵も受けることができますが、固定金利と変動金利それぞれのメリットを最大限に活かすことはできません。リスクが分散できる半面、利益も分散されてしまいます。

注文住宅の「つなぎ融資」

住宅ローンとは「住宅に対する融資」です。一般的に住宅の引き渡し時に住宅ローンが実行されるため、注文住宅のように「土地の購入」「着工金の支払い」「中間金の支払い」が住宅の引き渡し前に発生する場合には、別に資金を用意する必要があります。

土地を購入する際、現金一括払いという手段もありますが、自己資金では賄えない場合、住宅の引き渡し前に必要な資金を一時的に立て替えるための「つなぎ融資」を利用することになるでしょう。

つなぎ融資を受けるには、工務店やハウスメーカーと建築プランを決め、請負契約を締結して審査を受けることになり、承認を得た後は、土地購入代金や着工金、中間金などを支払います。住宅ローンの実行により、つなぎ融資を完済することになります。

融資期間は最長1年程度で担保がないケースが多く、金利は一般的に住宅ローンと比べると高めに設定されており、融資期間に応じて日割りで利息がかかります。

金融機関によっては、住宅ローンを分けて支払うことができない土地代金分は住宅ローンに含められないというルールもあるため、注文住宅で土地の購入から検討されている人は、つなぎ融資が適用できるのかを確認しましょう。

まとめ

国際情勢の不安などによって景気の見通しが難しくなっている近年、あなたを含め、今後の金利について予測が難しいと感じている人は多いはず。住宅ローンは国債金利に連動しているものも多く、海外では急激なインフレを抑えるために政策金利や長期金利が上昇している国が増えてきています。

住宅ローンの借り入れ金額は大きく、長期にわたり支払っていかなければなりません。金利が上がると返済額が増えるという漠然とした不安感を抱くのではなく、どのくらいの金利上昇で返済額はどのくらい増加するのか、具体的な数字で考えることが大切です。

資金に余力がなく、金利の上昇に対応できるか不安な場合や、将来の不確実性は回避したいというのであれば、固定金利型を選びやすくなるでしょう。また、あなたが想定する金利上昇による返済額の増加が、無理なく返済していける範囲内に収まるのであれば、変動金利が選択肢となります。金利タイプの選択や返済計画を立てる際は、冷静な判断を心がけ検討しましょう。

まずは無料の個別相談会で相談しましょう。