中古住宅市場が活発になることを見据えて
欧米では、住宅が資産価値のあるものとして売買されるように既存住宅流通が活発です。一方、日本の住宅は長きにわたり、築20年で資産価値が、ほぼゼロになってしまうと言われています。資産価値が低くなることで、家族構成の変化などライフステージに合わせて住み替えたくても、ローン残高などを考えて断念するケースが多いようです。
しかし近年、平均築年数が年々伸び続け、中古住宅のリノベーションブームなども後押しし、中古住宅市場が上昇傾向にあります。新たなライフステージへのステップアップや、スムーズな住み替えをするために、住宅の資産価値を求める動きは今後も高まるでしょう。そこで重要なポイントは、時期を見て転売することを前提に家を建てること。今回は、転売や賃貸を視野に入れた家づくりについてご紹介します。
家づくりでこだわり過ぎるはNG⁉︎
あなたは、資産価値がある住宅とは、どのような家だと思いますか?それは、豪華さでもユニークな家でもありません。大多数の人が好み、誰もが住み心地が良いと思う家は相場より高く売れる傾向にあり、資産価値が高いと言えます。
家づくりは、千差万別で人それぞれこだわりがあるでしょう。特に、注文住宅などで家を建てる場合、間取りやデザイン、外観、設備、自然素材、断熱材、施工の精度など、こだわりたいポイントがたくさんあると思います。戸建て住宅の方が売却では有利と言われるのは、標準的な家庭に合わせたスペックに合わせられているからです。
あなたが生涯そこに住み続けるのであれば、問題ありません。しかし、住宅を資産形成の1つと考えるのであれば、話は別です。
転売や賃貸を視野に入れた家づくり
例えば、リビングの暖炉や、浴室のジャグジー、庭のプールなど、一般家庭であまり見かけない設備を導入しても、実用性がないこともしばしば。
間取りや設備にこだわりすぎて、家事のしやすい生活動線が確保できず、収納スペースや数にこだわっても、結局物が取り出しにくく、デッドスペースになるなど、本末転倒な結果に陥ることも。
内装をリノベーションすることで、ある程度、変えることができるとしても、偏った嗜好や奇抜すぎるこだわりを家づくりに取り入れてしまうと、転売や賃貸が難しくなる可能性があります。いつかは転居する可能性がある場合は、住宅ローンに縛られたまま生活するよりも、誰もが心地良いと思える資産価値の高い家づくりを目指しましょう。