キッチンは、家の中で最も頻繁に使用される場所のひとつです。
料理をするだけでなく、食器を片付けたり、家族とコミュニケーションを取ったりする場所でもあります。さらにデザイン性の高いキッチンを設ければ、住まい全体のインテリアセンスを底上げする主役級の存在になるでしょう。
しかし、キッチンの間取りにはさまざまなパターンがあるため「どんなレイアウトが良いのか分からない」という方も少なくありません。
そこで今回は、使いやすいキッチンをつくるためのレイアウトのポイントや、レイアウト種類ごとのメリット・デメリット、計画時の注意点を解説します。
使い勝手が良く、おうち時間をさらに充実させるキッチンをつくりたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
使いやすいキッチンレイアウトを実現する5大ポイント
まずは、自分や家族にとって使い勝手の良いキッチンをつくるために大切な「5つのポイント」について解説します。
1.家事・生活動線を考える
ショールームで見かけるキッチンや、SNSで注目を集めているキッチンなど、いかにもおしゃれで機能性の高そうなキッチンはたくさんあります。しかし、使い勝手を重視するうえで大切なのは「自分や家族のライフスタイルに合っているかどうか」という点。
使いやすいキッチンを実現するためには、日々の家事動線や生活動線をしっかりと考えることがポイントです。
例えば、冷蔵庫から食材を取り出し、シンクで洗い、コンロで調理する一連の動作が最短で済むようにレイアウトを考えると、無駄な動きを減らせます。
また、キッチンからダイニングテーブルやリビングまでの動線も重要です。特に子どもがいる家庭では、家事をしながらでも視線が届くような配置が理想的でしょう。
2.「ワークトライアングル」を意識する
キッチンレイアウトの基本ともいえる「ワークトライアングル」という考え方があります。
これは、冷蔵庫、シンク、コンロの三つの主要な作業スペースを三角形に配置し、動線を短くすることで効率的に作業できるようにするものです。
理想的な三角形の各辺の長さは120~270cmほどで、正三角形に近いほど使いやすいとされています。ワークトライアングルを取り入れれば簡単にキッチンレイアウトの基本が決まるため、食器棚やゴミ箱といった他の要素の位置も決めやすくなります。
3.片付けやすさを重視する
近年は対面型などオープンタイプのキッチンが主流となり、以前に比べLDK内でのキッチンの存在感が格段に増しています。
そのため、リビングやダイニングから中を見通しやすいキッチンは、きれいに保つための工夫が欠かせません。
片付けのしやすさを考慮する際には、シンクと食器棚の距離を短くすることがポイントです。また、ゴミ箱や食洗機をシンクの近くに配置すると、洗い物やゴミ捨てがスムーズに行えます。
さらに、収納スペースも十分に確保し、片付けやすさを重視したレイアウトを心がけましょう。
4.高さ方向の使い勝手も考慮する
キッチンを最大限活用するためには、縦方向の使い勝手を考えることも大切です。
吊り戸棚は高すぎる位置にあるとデッドスペースになりやすいため、昇降機を付けたり、ショールームなどで使いやすい高さを検討したりすることが重要です。
また既製品のシステムキッチンであっても、カウンター高さについては一定の範囲内で変更できる製品がほとんどです。低すぎたり高すぎたりする作業台は、使いづらいばかりか腰痛などの原因となるため、使う人の身長に合わせたカウンター高さをセレクトしましょう。
5.冷蔵庫は家族全員が使いやすい位置にする
冷蔵庫は、キッチンの中でも頻繁に使う家電です。そのため、料理をする人だけでなく家族全員にとって使いやすい位置に配置することが重要です。
冷蔵庫はキッチンの一番奥に設置されることも多いですが、料理中に冷蔵庫を頻繁に使う場合は動線が長くなり不便です。また、家族が冷蔵庫を使うたびにキッチンを横切るような配置は家事の邪魔になってしまうこともあるでしょう。
料理をしない家族でもアクセスしやすい位置に冷蔵庫を設置することで、それぞれの動線がスムーズになります。
キッチンレイアウトの種類とメリット・デメリット
ここからは、キッチンレイアウトの基本的な種類とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。
壁付け型
壁付け型のキッチンは、シンプルで空間を有効活用できるのが特徴です。
壁側にすべての設備が配置されるため、キッチンがコンパクトに収まります。
ただし、調理中にリビングやダイニングと向き合えないため、家族とのコミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。
L型
L型キッチンは、コーナーを使って効率的な作業スペースを確保できるレイアウトです。
調理スペースが広く動線も短くなるため、複数人でも作業が可能です。
一方で、コーナー部分の収納がデッドスペースになりがちなため、工夫が必要になるでしょう。
コの字型
コの字型キッチンは、調理スペースが広く作業効率がアップしやすいのが特徴です。
複数の作業が同時にでき、家族で料理を楽しむことも可能です。
ただし、設置するためには広いスペースが必要で、キッチン全体が閉塞的になりやすいデメリットがあります。
Ⅱ型
Ⅱ型キッチンは、壁側と対面側にそれぞれ調理スペースが分かれているレイアウトです。
シンクとコンロが別々のカウンターに配置されるため、作業スペースが広く、効率よく動けます。
ただし、シンク近くで用意した食材をコンロで調理する際などは通路内での移動が発生し、動線が長くなることがあります。
ペニンシュラ型
ペニンシュラ型は、キッチンの片側が壁に接し、もう一方がオープンになっているレイアウトです。現在最も人気のスタイルといえるでしょう。
アイランド型ほどスペースを取らずに、リビングやダイニングにいる家族とコミュニケーションを取りながら作業ができるのが特徴です。
ただし、調理の際の匂いや煙がリビング側に広がりやすく、腰壁がない場合キッチン内部が見えやすいのも気になる点といえます。
アイランド型
アイランド型キッチンはカウンターが独立して孤島のように配置されるスタイルで、開放感たっぷりのレイアウトです。「キッチンが主役の間取りにしたい」という場合にはぴったりのタイプでしょう。
家族や友人との会話を楽しみながら調理できるのが魅力ですが、設置には広いスペースが必要で、収納スペースも確保しにくいというデメリットがあります。
キッチンの間取り・レイアウトを決める際の注意点
ここからは、すべてのキッチンレイアウトに共通して注意すべきポイントを解説します。
コンセント計画は入念に
キッチンではさまざまな家電を使用するため、コンセントの位置は非常に重要です。完成後の後悔でも、「コンセントが少ない」「位置が使いづらい」といった声が非常に多く聞かれます。
電子レンジ、トースター、ミキサーなどの調理家電用のコンセントはもちろん、スマートフォンやタブレットの充電器用コンセントを設けるケースも増えています。実際の使い勝手をイメージしながら、適切な場所にコンセントを設置しましょう。
パントリーは奥行きに注意!
パントリーは食品や調理器具の収納に便利ですが、奥行きがありすぎると奥にあるものが取り出しにくく、無駄なスペースなってしまうことがよくあります。
収納する物の種類や大きさを事前にチェックし、使いやすさを重視した設計にすることがポイントです。
ゴミ箱スペースも忘れず計画
意外に忘れがちなのが、ゴミ箱の配置計画。
使用するゴミ箱のサイズや個数に合わせて、幅や奥行き、高さなどを、計画時の早い段階からキッチンレイアウトと一緒に検討していくことが大切です。
「引っ越し先エリアの分別ルールが細かく余計にゴミ箱が必要になった」というケースもあります。完成後に後悔しないよう、事前にしっかりと確認しましょう。
まとめ|使いやすいキッチンのご提案なら「家はシェルッソ」にお任せ!
使いやすいキッチンレイアウトが実現すれば、家事効率がアップするだけでなく、家族とのコミュニケーション機会が増えるといったプラスアルファのメリットが生まれます。
今回紹介した計画ポイントやレイアウトパターンを参考にして、毎日がときめく快適なキッチンを実現してくださいね。
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